内部研修


湖北野草研究所は、目の前の野草だけを見ているのではありません。

野草を取り巻く環境にも広く目を向けています。

 

湖北野草研究所のある山里は、植生が豊かではありますが、獣害という問題にも面しています。

例えば鹿を捕獲した場合、食用として肉は加工されても、皮は廃棄されていることを耳にしました。

 

野草も同じですが、活用方法を知っていれば有用植物、ハーブとして扱われ、活路が見出せなければ、雑草として扱われることが多々あります。廃棄されてしまう皮を、例えば草刈り対象となる植物を使ってなめし、加工していくことはできないだろうか、命を余すことなくいただく活路は見いだせないだろうか… そんな想いから、研究所内の有志メンバーで皮なめしの技術を学び、地元の猟師さんたちと連携しはじめています。

2024年4月 猪鹿庁主催の毛皮なめし講座にて

湖北の山に入ると、道なき場所でも、どんな場所にも、人が立ち入っていた形跡がある。

 

湖北の人々は、「山に行く」という言葉をよく使っていました。

山と暮らしが、繋がっていたことの証なのでしょう。

 

しかし今では、山の所有地の境界がよくわからない、所有者がわからない、という問題が起きています。

暮らしのために手が入っていた山は、荒廃するばかりです。

 

今目の前に広がる植生は、何十年も前に私たちの祖先が作ってくれた植生です。

今私たちが何もしないままでいたら、数十年後の未来は、どのような植生が広がるのでしょうか。

私たちは、未来に何を繋いでいけるのでしょうか。

 

そんな想いから、まず挑戦できることとして、竹林整備を学び、整備を一緒にできる仲間を増やす試みをはじめました。

ノコギリ1本あれば、なんとか最低限の手入れができると知ったことが、きっかけです。

 

竹と言えば、筍や竹籠などが思い浮かぶでしょうか。

何年も使い続けられる丈夫な竹籠を作るには、材の良さが要となるのだそうです。

良い竹を育ててこそ、丈夫な竹籠を作ることができるのだそうです。

 

安心して採取できる野草を得るためには…

丈夫な竹籠を作るためには…

毎年筍を採って美味しく食べるためには…

 

やりたいことが実践し続けられるためには、何ができるのか。

湖北野草研究所では、そんな持続可能性にも目を向けています。

 

2024年3月 竹林整備からはじめる竹の利活用ワークショップにて